明治時代、神戸にオリーブの実のなる森がありました。

“神戸阿利襪園” から“神戸オリーブ園” へ

オリーブは神戸が発祥の地。
神戸に日本で初めてオリーブ園(国営)が造られ、オリーブの森ができたのは明治12 年でした。
初めてオリーブオイルも搾られました。
日本の将来の発展を見据えて造られたオリーブ園で、国内でのオリーブ栽培及び製品化の可能性が追求され、技術が確立しました。
しかし、政府は財政難に陥り、園を支えた優秀な人材は流出し、閉園にいたりました。
南欧の情緒を漂わせる小豆島に、オリーブが植えられたのは神戸の30 年ほど後でした。

神戸阿利襪園の唯一の全景写真 明治中期 (神戸文書館架蔵アーサ・トムセンコレクション)
農商務省による山本通の園地の買上げの図 明治16 年 ( 農務顛末より)
明治18 年~ 19 年に
国営神戸阿利襪園で搾油された
オリーブ油容器のために作成さ
れたと思われる帳票(ラベル)
(早稲田大学所蔵)

蘇る神戸阿利襪園の歴史

明治12 年(1879) 神戸市中央区山本通に三田育種場神戸試園( 暖地植物試験地) 開設
         オリーブ苗木550 本植付
明治15 年(1882) 神戸で日本で初めてオリーブオイルを搾油
明治17 年(1884) “国営神戸阿利襪園” と改称
明治18 年(1885) 林山苗木場にオリーブ苗木480 本を植付
明治21 年(1888) 神戸阿利襪園、播州葡萄園を前田正名に払下げ
明治24 年(1891) 山本通園地を川崎正蔵へ売却
明治37 年(1904) 林山苗木場でオリーブ園の再興を試みる
明治41 年(1908) 林山苗木場でのオリーブ栽培を断念
         小豆島でオリーブ栽培開始


市民の記憶から“神戸阿利襪園” の歴史が消える

平成15 年(2003) 研究論文“神戸阿利襪園設置の経緯” 発表
平成25 年(2013) 神戸でのオリーブ油搾油130 年を記念して、小豆島町より「神戸・小豆島 友好のオリーブ樹」寄贈
         インターナショナル オリーブアカデミー神戸設立 ( 神戸阿利襪園の史実の研究・伝承開始)
平成27 年(2015) 神戸阿利襪園跡地( 現神戸北野ホテル) にモニュメント設置
平成30 年(2018) 西区押部谷にオリーブ樹200 本植付( 神戸オリーブ園復活プロジェクト)
令和02 年(2020) 西区押部谷でオリーブオイル搾油
         特定非営利活動法人神戸オリーブ園設立
令和03 年(2021) 西区押部谷にオリーブ樹200 本植付

令和03年(2021) 神戸オリーブ園製 オリーブオイルとオリーブピクルス販売開始

神戸阿利襪園想像図
2013年11月 風見鶏前 植樹式
2015年6月 神戸阿利襪園跡モニュメント設置

神戸に生れたオリーブの活動

市民がオリーブをまもり、そだてる活動
神戸マラソン優勝者へのオリーブ冠贈呈
神戸オリーブ園の歴史伝承活動
日本で一番古いと言われる湊川神社のオリーブ樹保存活動